デイトナ・ミルトンキーンズ24時間レース − 車両スペック

Dmax クラス + Sodiクラス = 全45台

 

年々台数が増えていて、2018年の参加チームは全45チーム。参加カテゴリーを2ストのDmaxと、4ストのSodiから選べます。比率はおおよそ半々で、需要によってクラス間で台数を融通しあっているようです。

 

カートは全てオーガナイザーによって提供され、くじ引きで割り当てられます。カートの性能ばらつきは非常に小さく感じました。

 

耐久レースといえば、複数クラスの同時走行が当たり前ですよね。ル・マン24時間、ニュルブルクリンク24時間、鈴鹿10時間などなど。異なるクラスのマシンを上手く処理しながら、同じクラスとバトルする。この面白さをデイトナミルトンキーンズ24時間レースでは経験できるんです。

 

 

Dmaxクラス

  • 2スト125cc Rotax Evoエンジンを、耐久性確保のため約22hpまでデ・チューン
  • Birrel N35シャシーレース中最低重量204kg、車両重量119kg
  • 2017年予選ラップタイム 1分5秒0
  • 参加費 £2,350

 

こちらがよりパワーのある花形クラス。エンジンがデ・チューンされているとはいえ、そこは20馬力オーバー。幅の狭いコースに45台がひしめき合ってることもあり、これを遅すぎると感じるのはよっぽどの熟練カーターだけでしょう。

 

レンタル用なので、タイヤ同士の接触を防ぐ丈夫なバンパーと、工具無しで簡単に位置を調整できるペダルが付いていますが、それ以外は軽量にできています。ドライバー込みの最低重量が決められていて、ピットインのたびに計測されるので、多くのドライバーはバラストを装着する必要があります。

 

最高速が速く、比較的華奢なシャシーなので、縁石に乗りすぎたり、他車との接触が多すぎると、マシントラブルにつながりやすいのも、このクラスの特徴です。スプリントレースとは異なる、車両を労わった走りが求められます。

 

満タンで約1時間半走れます。

 

 

Sodiクラス

  • 4ストHonda GX390エンジン
  • 最高出力 11.7hp
  • Sodi RT8シャシー車両重量 156kg
  • 2017年予選ラップタイム 196
  • 参加費 £1,700

 

4ストといって侮る無かれ。排気量390ccのエンジンを積んでいるうえ、スピードリミッターも無いので、4ストの名から想像するスピードをはるかに超える性能をみせてくれます。低回転域からトルクが出るので、コーナー立ち上がりはDmaxと遜色ありません。タイトなコーナーが何箇所も続くサーキットながら、ラップ平均速度は60km/hオーバー。日本では、最高速度がその程度のレンタルカートが多いことからも、その違いが想像していただけると思います。

 

シャシーは日本でもしばしば見かけるようになってきたSodi RT8。シートとペダルの前後調整が簡単にできるので、体格の異なるドライバーにもすばやく対応できます。シート調整は股の間のストラップを引いてロックを解除するだけなので、走行中でさえ調整できます。実はシート前後位置、すなわち前後重量配分が車両挙動に与える影響は結構大きく、コンディションの変化に合わせてシート位置を変えるなんて技も使えます。最低重量は決められていないので、軽いドライバーのほうが若干有利かもしれません。

 

レンタル専用設計で丈夫なので、よっぽどひどい乗り方をしない限り壊れないようで、24時間マシントラブルを気にせず全力で走り続けられます。

 

満タンで2時間超走れます。

 

 

改造と調整について

 

イコールコンディションを徹底するため、改造と調整は基本的に許されていません。たとえばタイヤ空気圧調整でさえも御法度です。

オーガナイザー立会いの下、以下の改造は許されています。

 

 

↓オフィシャルサイトの車両スペックページ↓

www.daytona.co.uk

デイトナ・ミルトンキーンズ24時間レース − レースフォーマット

09:45 2時間プラクティス開始

 

初日朝9時45分から2時間に渡るプラクティスが始まります。

 

カートは事前にくじ引きで割り当てられますが、カートの性能に不満がある場合は、開始後30分の間に申請れば変えてくれます。レギュレーションで許されている改造(細かくは使用車両にて)は、このプラクティス中に主催者監視の下、施さなければなりません。

 

この2時間をどのように使うかはチーム次第。精力的に走り続けるチームもあれば、少ししか走らないチームも。プラクティス終了前に給油エリアに並べば、予選前に燃料補給してくれますが、これを逃すとレース開始後10分まで給油できません。

 

 

12:00 10分予選開始

 

12時からクラスごと(クラスについては後述)に10分ずつの予選が行われます。予選10分内に記録したベストラップタイム順に、決勝のグリッド順が決まります。10分目一杯走るチームが多いですが、中にはレースの第一スティントを少しでも長くとる為に、早めに切り上げるチームもいます。

 

 

13:00 決勝スタート

 

13時にレースがスタート。スタート方式はローリングスタートです。速いクラスが13時にスタートし、遅いクラスはその20秒ほど後にスタートラインを通過します。

 

レースは24時間ノンストップ。燃料補給は毎回満タン補給で、回数や停車時間に規制はありません。ピットレーン通過も含むロスタイムはおよそ1分40秒です。ドライバー交代の回数、頻度にも規制は無し。過去には全て一人で走りきった兵もいますが、多くのチームは3〜5人のドライバーを擁しています。なるべく止まらないのが有利なのは明らかなので、ほぼ全てのチームが燃料の許す限り走り続け、燃料補給と同時にドライバー交代します。

 

各クラス1〜3位が表彰されるほか、各クラスのレース中ファステストラップを記録したドライバーにも、トロフィーが授与されます。

 

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レンタルカート24時間耐久レースに参戦します

仕事の関係でイギリスに移住して、10年以上になります。モータースポーツが大好きで、自分でもレースがやりたいけれど、そんなにお金は使えない。子育てに時間を取られて、自分の楽しみだけに使える時間は限られる。そんな制約の中、年に一回レンタルカートの24時間耐久レース、Daytona Milton Keynes 24h (デイトナミルトンキーンズ24時間レース)に挑戦しています。

 

レンタルカートのレースながら、車両はなかなかハイパワーで、1スティント約2時間。参加者はみんな真剣で、近年のル・マン24時間レースを髣髴させる、24時間のスプリントレースが繰り広げられています。ヨーロッパの他の国に目を向けると、各地でこうした真剣な24時間カートレースが開催されています。日本では見かけないこのレース形態を伝えようと思い、3年目の挑戦を目前に控え、このブログを開設しました。

 

 ↓ 2017年のダイジェスト ↓

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僕の挑戦1年目は、クラス全20台中10位、クラストップから21ラップ差と平凡な結果に。2年目は同じチームメンバーと共に挑戦し、クラス全18台中5位、トップから9ラップ差と大きく前進した上、僕個人はレース中のクラストップタイムを記録することができました。挑戦3年目の今年、昨年までのチームメンバーの離脱を受け、チームメイトを一新。クラス優勝を目指して5月5〜6日のレースに臨みます。

 

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2017年大会のファステストラップ・トロフィー

 

レースはもう3日後に迫っていて、果たしてそれより前にこのブログにたどり着く方がいらっしゃるのかだいぶ疑問ですが、インターネットラジオで生放送されるほか、後日YouTubeにダイジェストがアップロードされるので、興味ある方はご覧ください。

 

*5/4補足 インターネットラジオ生放送は今回は無さそうですが、Facebook オフィシャルページで、随時ダイジェストがアップされそうです。↓

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